統合認証基盤(山九株式会社 様)

クラウド上で統合ID管理システムを動作させる

山九では、2012年1月より『Sankyu-Global Information Platform Service (S-GIPS)』と呼ぶ、統合ID管理システムを基盤として、Webアプリケーションにて統合されたポータルやワークフローならびにメールなどのIT基盤インフラを山九グループに展開してきた。そして局面は、低コストIT-BCPを実現するため、On-PremisesからCloudへ。


システムの構成概要

山九の独自性が強い業務面は、中間DBでスクラッチ開発しており、連携先システムへのプロビジョニングをIDM製品が担っている。そのため、今回のIDM製品をExgen社のLDAP Managerに変更する対応は、中間DBからのデータ連携処理を改修するだけに留まっている。
インフォセンスでは、変更前のIDM製品も問題なく運用していたが、Windowsベースの製品に変更したことで操作性が向上し、効率良い運用を実施している。

期待する導入効果

導入効果 ① サーバ構築期間短縮による業務投入スピードの向上

新システムを導入する際に、ハードウェアの構築やラッキング及びネットワークや電源の設置など、多くのインフラ構築作業に時間を必要としていた。今では、新システムが必要とするOSやリソースを確認するだけで環境構築が実現するため、即座にアプリケーションの構築作業に着手することができる。利用者への素早いサービス・インを提供している。

導入効果 ② サーバのEnd Of Life(EOL)毎に実施が必要な移行リスクの排除

物理的なサーバやストレージにはEOLがあり、必ず移行作業を定期的に実施する必要があった。そのたびに、移行期間中のシステム停止や手作業によるミスなどのリスクが脅威となる。AWSの利用は、機器のEOLによる移行が全くないため、移行リスクを排除することができている。

導入効果 ③ サーバ運用や保守に掛かるコストの削減

AWS環境の利用であっても、運用や保守に関わるコストは発生する。但し、24時間365日運転を必須とする本番環境を除き、検証環境については利用しない時間帯に電源を落としておくことで、従量課金制のメリットを生かしている。このため、利用シーンに合わせた検証環境を構築することができ、サービス・インした際の品質向上にも役立っている。

お客様の声

最初から高い目標設定と強い決意が重要

山九株式会社 技術・開発本部 IT企画部 情報インフラグループ ご担当者様

AWS環境への取り組みは、2014年から着手した大規模なプロジェクトだったので、小さく着手して徐々に拡張することも考えました。しかし、クラウド移行によるシステム運用側のメリットだけでなく、膨大な記憶領域を活用できるクラウドの利点を活かし、
①メールシステムでは、メールボックスの1ユーザ当たりの利用可能な容量を増やす
②ワークフローシステムでは、過去申請書のアーカイブ領域をクラウド上に別途構築し、システムのレスポンスを向上させる
など、ユーザにとってのメリットを実現したいという“強い思い“から、S-GIPSの管理システムである23システムすべてをAWS移行対象としました。現在では、11システムまでAWS移設が完了しており、順調に進んでいます。来年には、前述した期待効果を具体的に評価したいと考えています。

新しい試みには“思い切り”も重要

株式会社インフォセンス アウトソーシング事業部 システム開発部 ご担当者様

山九様からAWS環境への移設の依頼を受けた際に、私が管理するIDM製品がAWS環境上で問題なく動作するのかを確認することが、最初の仕事でした。アクシオ様に確認をお願いしたところ、「AWS環境での実績が豊富な製品に変更しましょう」とご提案を頂いた時には、少し驚きと戸惑いがありましたが、 製品説明や導入方針及び5年利用を前提とした場合のコスト試算をおこなった上で、山九様と製品を変える判断をしました。特に、IDM製品が変わるための改修内容については何度も検討を重ねる必要があり、リスクもありましたが、思い切った判断をしたおかげで運用面も含めて良いシステム移行ができたと考えています。

今後の方針

現状S-GIPSが連携しているシステムは、2017年度中に全システムをAWSへ移設する計画を予定しています。さらに、財務系システムを筆頭に大規模システムをS-GIPSに連携する予定です。
また、クラウド環境へのチャレンジとして、現在はIaaSの利用だけですが、PaaSやSaaSの検討を行い、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの利用にも取り組みたいと考えています。アクシオ様にも協力いただき、よりよいシステムを構築していきたいと思います。

アクシオからのコメント

山九様およびインフォセンス様においては、S-GIPS創世記から、グローバル対応やスマートデバイス対応などを含め、常に最新技術への取り組みを経験させていただきました。
今後もS-GIPSの成熟期までお付き合いさせていただけますよう、お願い申し上げます。

関連製品

  • LDAP Manager
ID管理

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ユーザプロフィール

会社名
山九株式会社
所在地
東京都中央区勝どき6丁目5番23号
設立
大正7年(1918)10月1日
資本金
286億1,900万円
従業員数(2016年3月現在)
11,151名(連結:30,926名)

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