ネットワークについて
未来ネットワークインフラの在り方
ネットワーク更改において考えるべきこと
企業や大学、病院、自治体などでは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)のネットワーク機器はおよそ5年ほどのサイクルで新しい設備に更新されます。「堅牢で安心して使えること」に加え、ネットワークの在り方にはもう一つ大切なことがあります。
それは、「未来を見越したネットワークであること」です。
ネットワークインフラ整備には非常にコストがかかりますし、全体のデザインや構成の変更も容易ではありません。現在の不便な点や課題を解決していくことが、5年あるいはそれ以上の長期的な運用を可能にする、目指すべき未来ネットワークへの一歩となります。
ネットワークお悩みの声ベスト6
それでは、ネットワークインフラを運用管理するシステム部門の課題やお悩みとは、どんなものでしょうか。
大学や病院など、大規模なネットワークインフラを数多く構築してきた経験から、お客様のお悩みの声ベスト6をご紹介します。
お悩みどころ①:「コアスイッチ故障」
・高価なパーツで代替え部品の用意がない
・復旧対応に時間がかかる
・部品交換・設定復旧しても通信しない
・設定が複雑で原因特定が困難
お悩みどころ②:「配線制限」
・コアスイッチからの配線経路を新設したいが、コストと時間がかかる
・コアスイッチからの配線経路にケーブルが集中して管路に入らない
・バイパス経路は機器設定が複雑になる
・バイパス経路だとループ構成になるので制御が不安
お悩みどころ③:「ネットワーク追加」
・すべての通信経路にタグVLANの追加が必要で、作業負荷が大きい
・通信を制御するプロトコルを複数組み合わせて使うので、設定が複雑になる
お悩みどころ④:「設定ミス」
・設定量が多すぎて、設定漏れを見落とした
・設定が複雑なので、変更のたびに構築業者に任せてしまう
お悩みどころ⑤:「ループ障害」
・通信できたり直ったりと、原因不明で不安定
・正しく設定していたのに、肝心な時に冗長化やループ対策が機能しない
お悩みどころ⑥:「管理外のネットワークが作られる」
・ユーザの要望に対し、ネットワークをたくさん用意できない
・ユーザが勝手にネットワークを作って繋いでしまう
・管理外のネットワークからのトラブルの増加
ファブリック・ネットワークで解決しよう!
こうした課題は、ネットワークを新たにデザインすることで解決したいですよね。お客様の課題解決と未来志向を推進するため、弊社はExtremeNetworks社が提唱する“ファブリック・ネットワーク”に注力しています。
解決策①:「コアスイッチ故障」
ファブリック・ネットワークでは安価なBOXスイッチで、コアスイッチがダウンした状態でも通信ができるネットワークを形成できます。すべての通信がコアスイッチを通過する集中型ネットワークから、分散型のネットワークデザインに移行できます。
解決策②:「配線制限」
ファブリック・ネットワークでは、自由にバイパス経路を繋いでも安心です。ループしないだけでなく、障害時の経路の切替もより高速になります。また、コア技術では新しいプロトコルであるショーテストパスブリジング(SPB)(IEEE802.1aq標準)を採用しているため、複雑な設定にもなりません。
解決策③:「ネットワーク追加」
SPBプロトコルを利用すると、エッジ側のネットワークスイッチの設定変更だけで完了です。経路の途中には設定変更を伴いません。
解決策④:「設定ミス」
SPBプロトコルの仕組みはとてもシンプルです。オペレーションが単純になり、設定量の違いも一目瞭然です。
解決策⑤:「ループ障害」
従来方式ではループ発生後に障害検知、抑制する「後手」策が主流でしたが、ファブリック・ネットワークではループ前の「先手」策で障害の発生自体を防止します。SPBプロトコルがループ接続時のリンクの状態変化を瞬時に検知し、障害が生じない論理経路(リンクステート)として自動的に調整してくれます。
解決策⑥:「管理外のネットワークが作られる」
ローカル・エリア・ネットワークにおいて、独立して作成できるネットワーク数には4,000個の制約があります(VLAN数の制約に基づく)。近年、大規模な大学キャンパスネットワークなどでは、セキュリティ観点や研究室毎の利用ニーズにより、ネットワークの追加を要求されるケースも多くなってきました。ファブリック・ネットワークでは4,000個を超えるネットワーク数のデザインが可能なため、管理外のネットワークが作られる心配がありません。
未来ネットワークインフラの在り方
ネットワークデザインの目指すところは、現在にも未来にも“ベスト”なインフラを提供することです。弊社の製品サイトでも、ExtremeNetworks社のファブリック・ネットワークが実現する未来志向のネットワークについて詳しくご紹介しています。こちらもぜひ合わせてご覧ください。
未来ネットワークインフラのキーワード
・見えないネットワーク(ステルス・ネットワーキング)⇒ 標的型攻撃対策に有効
・完全なるネットワーク分離(マルチテナンシー)⇒ 用途別のネットワークデザイン
・監視カメラネットワークとIoTネットワーク ⇒ 未来型のネットワークニーズ