仮想デスクトップ / シンクライアント(株式会社アクシオ)

独自ノウハウも生かし、全社一括導入を実現
ネットワークソリューションの雄が見据えるシンクライアントの「次なる一手」とは

アイデンティティ管理やセキュアネットワーク構築など、ネットワークソリューションの分野を中心に数々の実績を誇る株式会社アクシオ。シンクライアントに関しても、2006年に自社への一括導入を実施するとともに、これまで多くの企業や公共機関での採用を代理店としてサポートしてきた。さらに、同社は今、モバイルデバイスという新たな領域をも開拓しつつある。その鍵を握る技術が、シンクライアントのグローバルリーダーであるワイズテクノロジーの「Wyse PocketCloud」だ。


早期からシンクライアントを全社に導入
200台の導入作業をたった1人で完了

企業向けICTソリューションの開発・構築・運用を手がける株式会社アクシオ(以下アクシオ)。同社は、各種ケーブル事業や精密機器・電子機器事業を中心に事業展開する昭和電線グループの一員でもある。ネットワークインフラ構築の豊富な経験と持ち前の技術開発力を生かし、これまで企業のITシステムに不可欠のソリューションを幅広く提供してきた。
そのアクシオが、すべての業務用クライアントPCをワイズテクノロジーの「Wyseシンクライアント」へとリプレースしたのは、2006年のことだ。現在、アクシオで管理本部 総務部 情報システムグループ長 主幹を務める池本武彦は、当時社内でただ1人のシステム管理者であり、全社で計200台近いWyseシンクライアントの導入作業も自力で行った。池本は、その時の状況を「当時は社員数の急増に伴い、業務用クライアントの確保が急務でした。シンクライアントの採用を決めた理由はセキュリティの強化もありますが、これが設定の容易なWyseシンクライアントではなく一般のPCだったら、そもそも1人で導入するのは不可能だったでしょう」と振り返る。
シンクライアントの新規導入時には、まず特定の部署で試験的に導入し、一定の期間を経てほかの部署や拠点にも導入を進めていくケースが多い。しかし、アクシオでは、このような部署ごとの段階的導入は行っていない。社内で最初にWyseシンクライアントへの切り替えが実施されたのは、社長をはじめとする全役員、および各部署のライン長(30名程度)のPCだった。全社規模での導入にあたり、まずは会社の上層部に率先してシンクライアントを使ってもらい、そのよさを理解してもらうことが重要と考えたためだ。
こうしたトップダウンでの導入効果もあり、社内全体でWyseシンクライアントが浸透するまで、さほど時間はかからなかった。当初は使い慣れたPCの環境を手放すことに抵抗感を示す社員もいたが、実際にWyseシンクライアントを使い始めてみると、PCよりも起動時間が短く、Windowsのパッチ更新や端末の情報漏洩対策に煩わされない点が高く評価されたという。同社では、現在も据置型のデスクトップ・シンクライアント200台(社内用および一部社員の自宅からの接続用)を引き続き使っており、さらにノートブック型のモバイル・シンクライアント25台も追加で導入している。

3種類のクライアント配信方式に対応し性能とコストのベストバランスを確保

アクシオのシンクライアントシステムが独特なのは、クライアント環境(OSやアプリケーション)の配信用サーバとして、CitrixのXenApp、VMwareの仮想PC、Windows Server標準のターミナルサービスという3種類の方式を用意している点だ。同社の岡本孝プロダクツ推進本部 本部長は、これについて「性能とコストのバランスを取った結果」と説明する。「必要なサーバ・スペックやソフトウェア・ライセンスを考えると、最も安上がりなのはWindows標準のターミナルサービスです。しかし、ターミナルサービスでは、パフォーマンスや使用可能なアプリケーションの面で実用上制約があります。XenAppやVMwareではそのような制約はありませんが、すべてのクライアント環境をそれらで揃えようとすると、今度は導入コストがかさんでしまいます」(岡本)
岡本によれば、アクシオが独自に開発したWyse ThinOS端末の接続先サーバの振り分けを容易にするコネクションブローカ*1を使って複数方式のクライアント配信サーバを併用することで、ユーザー数170人の場合で約26%の導入コスト削減を見込めたという。Wyseシンクライアントの代理店でもあるアクシオは、同社の顧客企業にこのコネクションブローカを無償で提供している。岡本はこうも語る。「Wyseソリューションを導入することにより見えないコストが削減できています。ISMSやPマーク監査の準備にかける工数も格段に減ったことや、PC等の廃棄コストも大きな削減要因です。今後は自社にととどまらず昭和電線グループにもWyseソリューション展開を進めて行く予定です。」

シンクライアントシステム構成図

スマートフォン/タブレットから接続
モバイル・シンクライアントの未来形

アクシオは現在、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の社内利活用にも力を入れている。2010年後半から社員に支給する携帯電話140台をすべてiPhoneに切り替え、iPad10台も業務で使用中だ。また、Android製品の検証も進めている。
岡本は、企業向け端末として見たスマートフォン/タブレットについて「これからは、モバイル端末が業務でも幅広く使われる『デバイスを選ばない時代』がやってくる」と、その将来性を高く評価する。事実、アクシオの各社員は、プッシュメール(Exchangeと連携)やWebワークフロー、名刺情報共有といった各種アプリケーションをiPhone上で活用しているという。また、ワイズテクノロジーのリモートデスクトップアプリ「Wyse PocketCloud*2」を使って、iPhoneやiPadからのシンクライアント接続も実現している。
Wyse PocketCloudは、右クリックやドラッグ&ドロップを簡単に行えるタッチポインタ、ショートカットの入力にも対応した多機能キーボードなど、優れた操作性を備えている。岡本の場合、ファイルサーバ上のExcelファイルを外出先でチェックする際などに、Wyse PocketCloudが役立っているそうだ。
Wyse Cloud Client Computing・・・・それはクラウド環境におけるデスクトップ仮想化、シン/ゼロクライアント、そしてユニファイドコミュニケーションを包括的にサポートするWyseのソリューションビジョンである。ユーザーを中心において目的やユーザータイプに応じて異なったデバイス、ソリューションを上手く併せて使用しているアクシオでは単なる製品の「売り手」にとどまらず、自らがまず積極的な「ユーザー」となっている。そして、その経験を踏まえて本当に必要とされるサービスを生み出していく。アクシオのこうした企業姿勢は、これからシンクライアント導入を考える企業にも多大な価値をもたらすに違いない。

*1 アクシオコネクションブローカ http://www.axio.co.jp/key/wyse/compo.html
*2 Wyse PocketCloud(有償版の「Pro」または無償版)は、App StoreまたはAndroid Marketより入手できます。

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ユーザプロフィール

商号
株式会社アクシオ
本社
東京都港区虎ノ門4-3-1城山トラストタワー8F
設立
平成3年12月
資本金
3億1000万円
概要
ワイズテクノロジーでは使用するハードウェア・デバイスの種類にとらわれず、ソフトウェアとの融合によって実現するデスクトップ仮想化、ゼロクライアントコンピューティング、ユニファイドコミュニケーションの統合を目指すWyse Cloud Client Computingビジョンを提唱しています。
担当
株式会社アクシオ
プロダクツ推進本部
本部長
岡本 孝

株式会社アクシオ
管理本部 総務部
情報システムグループ長
主幹
池本 武彦


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