“作る”から“使う”へ　YKK APが描くID管理システムの未来図

弊社では、ビジョン「Evolution 2030」の実現に向けて、情報基盤の整備や働き方改革を積極的に推進しています。その一環として、情報格差の解消を目的に、全社員への情報端末の配布が検討されました。これにより、従来はメールアドレスを保有していなかった製造現場の社員にも、新たにメールアドレスを付与する必要が生じました。しかし、従来のID管理システムでは、こうした大規模な運用には対応できず、ID管理基盤の刷新が不可避となりました。オンプレミス型とSaaS型の両面から製品検討を進めた結果、アクシオが提案した「Keyspider」は、SaaSでありながら日本の商習慣やピラミッド型組織に対応できる柔軟性と、国内での豊富な導入実績を有しており、総合的に弊社のニーズに最も適していると判断しました。さらに、アクシオには既存システムの課題整理の段階から伴走していただき、ID管理に関する高度な知見に基づいて、その場で具体的な解決策を提示していただけた点も、大きな支援となりました。また、Keyspiderに独自のアドオンを加えることなく、人事システムおよび各種連携先システムとは疎結合で構成できたことにより将来拡張していくSaaSのメリットを維持したまま弊社の要件に合致するように導入して頂きました。
　今後の展望としては、まず連携対象システムの拡大を予定しています。基幹システムのリプレイスに合わせて、ID連携の対象範囲を段階的に広げていく計画です。さらに、システム権限の自動付与・剥奪といった機能の活用にも取り組んでいきます。Keyspiderにはすでに権限管理機能が実装されているため、今後は業務プロセスを整理しながら、これらの機能を本格的に運用していく方針です。