第4回 SaaS時代のIDライフサイクル管理
“人事あるあるのミス”を解決!
人事システムと連携するID管理の自動化
技術者ブログ

本連載(全6回)では、SaaS時代におけるIDライフサイクル管理の課題と解決策を体系的に解説します。
「手作業だからアカウント権限の設定を間違えてしまう…」「退職者の削除忘れていた!」など、入社・異動・退職といった人事イベントの発生する繁忙期は、どの企業もこんな”あるある”体験しますよね。
ただのミスでおさまるならまだしろ、これらの”あるある”はセキュリティリスクと監査コストを実は、押し上げているんです。
こうした課題を根本から解決するのが、人事システムと連携したIDライフサイクル管理の自動化です。
なぜ人事イベント連動の自動化が必要なのか?
人の入れ替わりに伴って発生するID・権限変更は、1件のミスが全社的なリスクに直結します。ID管理を人事システムと連携し自動化することで、ヒューマンエラーを防ぎ、内部統制の実効性を確保できます。
次の図は、人事イベントに対応したIDライフサイクルの自動化イメージです。

入社時にIDが生成されます。
その後、異動・休職・復職等が発生するとシステム利用権限の変更やアクセスの停止・再開を自動的に行います。IDライフサイクルの最後である退職によってIDが消滅します。
「入社初日にアカウントが使えない!」を防ぐには?
入社時のポイント:業務開始を遅らせない環境整備
新入社員やキャリア採用で入社した社員が業務を始めるためには、各種SaaSや業務システムのアカウント発行が欠かせません。
Keyspiderでは、人事データをもとに初期権限を自動で割り当てることで、入社初日から業務を開始できる環境を整備します。
これは生産性の確保だけでなく、社員の満足度向上にも直結します。
「前の部署の権限が実は残っていた」を防ぐには?
異動時のポイント:付与と剥奪の同時実行
異動では、新しい業務に必要な権限を付与する一方で、旧所属で不要となった権限を確実に剥奪する必要があります。
Keyspiderでは、部署や役職変更に応じて自動で付与・剥奪を同時に実行し、過剰権限の残存を防止します。
また、引継ぎ期間を設定することで業務移管を円滑に行いながら、統制を維持できます。
リスクを生まない退職プロセスとは?
退職時のポイント:アカウントの即時無効化でリスク遮断
退職者のアカウント削除が遅れると、ゴーストアカウントの温床となり、情報漏洩リスクが急増します。
Keyspiderは、人事システムに退職情報が登録された時点でアカウントを即時に無効化し、全システムから自動で削除します。
これにより、退職当日からアクセス権限を完全に遮断できます。
人事システムで管理していない派遣社員の場合はアカウント有効期限を予め設定しておくことで有効期限日になると自動でアカウントを無効化します。
人事におけるIDライフサイクルの3つのポイント
①入社時は自動化により、初日から業務開始を可能にする
②異動時は付与と剥奪を同時に行い、過剰権限を防止する
③退職時は即時無効化で、ゴーストアカウントを残さない
次回予告
次回は、人事連動と属性マッピングによってどのように「分断」を解消できるかを解説します。
シミュレーション機能を活用した権限変更の事前検証についても紹介します。
関連ソリューション

クラウドID管理ソリューション「Keyspider」は、
単なるアカウント管理ツールではなく、日本企業特有の複雑な人事・組織構造に対応したクラウド型のIDライフサイクル基盤です。
人事発令情報をトリガーに、入社・異動・退職といったライフサイクル全体でIDと権限を自動的に制御。
ノーコード設定により運用をシンプル化し、セキュリティリスクの低減、ガバナンス強化、業務効率化を同時に実現します。
・人事データと連動したライフサイクル管理
・権限の自動付与・自動剥奪(ノーコード設定対応)
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